積分、x²+1 パターン、基本戦略と面倒くささと(No.038)
以前、手書きのこざねメモの全てに通し番号を振っていた時期が数年ありました。
一万を超えるかどうか辺りで煩雑になり、また有効な活用の仕方を思いつかなかったため番号を振ることはやめてしまったのです。
質問
∫(x+8)/(x^2+6x+14)^3dxの計算方法と答えを教えてください - Yahoo!知恵袋
回答
かーなーり手こずりました。
分母が6次式の分数関数とはまたしんどい……
分子側が1次式なので既に既約分数、部分分数分解で簡単にすることもできない、ではどうしましょうか。
分母が2次式の3乗ですので分子側に細工をして、
① 2次式の微分形を作ります。
余った残りの項は別で②で処理します。
①置換積分:x²+6x+14 = t と置くと、
(2x + 6)dx = dt なので、
∫1/t³ dt と置換できます。これは余裕。
次、②余った残りの積分ですが、
∫ 1/(x²+6x+14)³ dx で先程のように分母の微分形が分子に無い時にどうするか。
ここで2次式が分母で現れていることがポイントで、これを平方完成すれば2乗和の形になるのですね。
2乗和が現れる積分と来れば、tan置換でしょう。
x²+6x+14 = (x+3)² +5 ですから、
x+3 = (√5) tan(θ) と置くと、
(x+3)² +5 = 5tan²(θ) +5 で、dx = (√5)sec²(θ)dθ なので
∫ 1/(x²+6x+14)³ dx
= ∫ (√5)sec²(θ)/{5(tan²(θ)+1) }³ dθ
=(√5)/5³ × ∫cos⁴(θ) dθ
とまで置換できました。あとはcosの4次の展開をして積分をする。
……とまぁ基本戦略はこの手の積分問題によくある手法で、特段目新しいことはないのですが。
問題はこの後からの、xに陽な式へと書き換えるために置換した文字をxに戻していく作業がまぁめんどくさいったらありゃしない。
万一試験問題なんかで出されたもんなら、基本方針の途中式まで書いて部分点狙いで放り出すだろうなぁ……
ともあれ、参考になりましたら幸いです。
(回答ココマデ)
参考
積分 (x+8)/(x^2+6x+14)^3 - Wolfram|Alpha
続き
最近続けている数学の回答エントリーに、このnumberingを使ってみてはどうだろうかと思いつきました。
日々思い浮かぶ広範なアイデアを通し番号で綴ることは、ジャンルごった煮の百科事典を頭から順に読むようで*1相互の関連性が浮かび上がらせにくかった。
その点、数学のエントリーというカテゴリー内での通番なら一望して関連を見渡しやすいのではないかと思います。
エントリーを日々立ち上げる基本が固まりつつあると、舗装したい箇所が多々目につくようになってきます。
結局面倒くさいことにも一度ちゃんと向き合って解決しておくことで、その後の振り返りに活かせる履歴が形作られていくのですね。
ぼちぼち改修作業も進めてつつ、更新も頑張ってまいります。
では。
*1:それはそれで楽しいのですが、そういう辞書読みの面白さと記録編纂の際の有用性とはまた別種のお話。