質問
大学数学の問題です。
冪級数について、次の等式を証明せよ。
(Σ[n=0〜∞]x^n)^2=Σ[n=0〜∞](n+1)x^n
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回答
面白い式ですね。
級数にこんな等式があるのかと感心しました。
数学的に厳密な証明となるとお手上げですが、大雑把な概略で良ければ。
STEP1.左辺について。
Σ[n=0〜∞]x^n、これは冪級数ですから
= 1/(1-x) なのでこの二乗である左辺は、
(Σ[n=0〜∞]x^n)^2
= 1/(1-x)²
STEP2.右辺について。
冪級数の係数が(次数+1)となる形で閃く。
この式をxで積分したらシンプルになるのでは?と。
形式的冪級数の母関数操作でよくやる技巧です。
そこで
f(z) = Σ[n=0〜∞] (n+1)z^n と置いて、
∫[0,x]f(z)dz
= ∫[0,x]( Σ[n=0〜∞] (n+1)z^n )dz
積分と総和の順序を入れ替えてもよいことにすると、(ここが数学的に大丈夫な操作か不安なのですね。「極限と積分の順序」で解析学にて精密な議論があることは知ってますが詳しく存じ上げません)
= Σ[n=0〜∞] {(n+1) ∫[0,x] z^n dz}
= Σ[n=0〜∞] {(n+1) x^(n+1) /(n+1)
= Σ[n=0〜∞] x^(n+1)
= x/(1-x)
STEP3.右辺について。(2)
先の考察で∫[0,x]f(z)dz = x/(1-x)
だと分かりました。
知りたかったのは元のf(x)についてでしたから、この両辺をxで微分しましょう。
微積分学の基本定理から、
f(x) - f(0) = {1・(1-x) - x・(-1)}/(1-x)²
f(x) = 1/(1-x)²
これはSTEP1 で求めた左辺に他なりません。
こうした等式を知識に入れておけば、これを使って別の級数の不思議な値も求められそうで、いやー良い武器を頂きました。
荒い考察でしたが、参考になれば幸いです。
(回答ココマデ)
今回の議論のハイライトはSTEP2 の考察対象を一旦別のものに置き換えるところでしょうか。
ラプラス変換とかも同様で、「他に移してからそこで処置をして元の世界に戻してみる」という発想は数学でまま見かける手法ですし、数学以外にも使えそうなアイデアですね。