微分方程式、答案の書き方、質問の問い方(No.016)
質問
所感
- 答案の書き方、というところが少し(かなーり)引っかかる。「テストないしレポートで点がもらえる、そつがない答え方」ということなのだろうか。
- 読みようによっては、答えは既に知ってるんだけれど……、とも取れる。とするとカテゴリは数学というより作文法やなーそこが自分の中で不明瞭やからこそ、こういう質問の文面で送っとるんやろうなーそこを揶揄するのは野暮か。
- 数学として、微分方程式に応えるんやったら変数分離の、そない厄介なパターンちゃうな。
回答
答案の書き方、ですと作文法のお話となりますが基本的に「過不足無く問いに答えられているか」がポイントでしょうか。
式の途中で条件の見落としがないか、論理の並びに不自然な点がないか、答えを急ぐあまり論の推移に飛躍はないか、あるいは説明に不必要な冗長さはないか(この説明自体が冗長であれば失礼!)、結論がしっかりと設問に応じられているか、などなど……
単純に答えを求めるだけではない心配りが求められますね。
さて、数学的なお話に戻りまして。
本問の微分方程式についての解き方ですが、まず表記の簡略のために関数表示の f(x) を変数表示y へ置き換えさせてもらいます。
与式は 4y = y'^2 と表記されますね。
大抵の場合、非線形*1微分方程式は解法がまともに存在しなかったりするのですが、今回は、解けます。
まず両辺を開平して、y' = ±2√y
この形ならば普通の変数分離形として扱えますので、y ≠ 0 として(!)
y'/√y = ±2 両辺をxで積分すると、
∫ 1/√y (dy/dx) dx = ∫(±2)dx
∫ 1/√y dy = ±2∫dx
2√y = ±2x + C 適当に積分定数Cを調節して体裁を整えれば、
一般解 y = (x + C)^2 が得られました。
ところで途中除外したy ≠ 0の条件についてですが、
y = 0 を元々の微分方程式4y = y'^2 へ代入すると両辺ゼロで成立してますよね。つまりy = 0 も解の一つ。
ですが先の一般解 y = (x + C)^2 では、Cにどんな値を取らせたところでこのy = 0 は表せません。
一般解に含まれない解のことを「特異解」と呼ぶのでした。今回の y=0 がまさにその特異解ですね。
よって結論。
「4f(x) = f'(x)^2 を満たすf(x)は、一般解f(x) = (x + C)^2 と特異解f(x) = 0である。」となります。
おそらく答案としてはここら辺の特異解への言及(一般解へまとめられるかどうか、とか)が漏れていると減点となるのでしょうね。
参考になれば幸いです。
(回答ココマデ)
質問への答え方
本当は単に数学的に微分方程式の解が欲しかったんだとしたら、質問の問い方が不適切だと言わねばならない。
知恵袋でおそらくこんな原稿用紙3枚超える回答は求められてないだろうとは感じてはおりつつ、敢えて懇切真面目に書かせてもらいました。
フランクな回答解説の程を保ちつつ「答案」にできてたらこれ幸い。
答案の書き方を問われた回答が、答案として手本にもならなかったらギャグだよなぁ。*2
それでは。