外積、読解の方向、式のエントロピー(No.014)
質問
回答
数学あるあるで、=で繋がれた式を私たちは読んだとき、まるで文章かのように上から下へ、左から右へ展開していくように読み進めます。
ですが本来=は両辺が等しいことを示す記号なので読む向きを問うてないので、式だけに言及すれば逆向きに読んだっていいわけです。
(A+B)×(A-B) から式変形させて
-A×B -A×B へ至る向きは、いかにも自然でしょう。
教科書がどのような文脈で、読み進め方不自然な=の展開を書いたのかはわかりませんが、天才的な発想に思えた変形が逆から読めば然もありなんというのも、本によってはままあることです。
=で結ばれている式であるならば、下から上へ、右から左へ天邪鬼に読んでみるというのも時に読解の役に立つのではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
蛇足
書き終えてふと、多項式の因数分解と展開の関係や、微分することと不定積分を求めることの関係とも似てるなーとぼんやり思いました。
一方から他方へは簡単だったり確実に変形できることが保証されているのに、
逆向きの操作は頭捻ったりセンスを要求されたりそもそも解ける保証さえなかったりして、操作の向きの難易度が違う。
これってもっと想像力たくましくすれば物理現象のエントロピーのお話にも敷衍できそう。覆水盆に返らず、落とした卵は戻せないなんて。
式変形にも乱雑さや秩序の度合いによる自然な向きが調べられたりするのかもしれませんね。
蛇足失礼しました。
(ここまで回答文。)
編集後記
外積代数の、交代性や複零性についてもう少し調べてみたくなった。