衒学記鳥の日樹蝶

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恒等式の証明、縛りプレイ、幾何アプローチ(No.034)

質問

2arctan(x+√(1+x^2))=arctanx+π/2

この恒等式を証明してください。

 

 微分は無しで

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

回答

微分なしでとはまた!

式変形で攻めるのがしんどかったのでそちらは他の回答者さんにお任せしますので、私は幾何から行きました。

 

 

底辺1、高さx、仰角θの三角形から

tan(θ) = x

この三角形の斜辺の長さは√(1+x^2)なので、斜辺をタテに持ち上げて新たな三角形を考えると、

底辺1、高さx+√(1+x^2)の三角形となり、仰角をφとすれば、

tan(φ) = x+√(1+x^2)

これらの逆関数をとってarctanを与式へ代入すれば、

2φ = θ + π/2

を示せばよいことになりますね。

 

ここで、先程斜辺を立ち上げるのに蝶番になった頂点を中心とする円を考えます。

あとは2角と外角の関係と、中心角と円周角の関係からさっきの角度の関係式が成り立つことがわかるので、与式は成立する。

 

xについては、底辺を1としたときの高さの比と捉えれば分数無理数、微小な数も大きな数も、はたまた俯角をとるように下向きの高さをxとすれば負の値も同様に図形に表せますから、

どのようなxに対しても円周上の頂点が対応し円周角の定理は恒等的に成り立つと言えます。

 

いやぁ面白い質問でした。

参考になれば幸いです。

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(回答ココマデ)